使用する画材はカラーインクです。透明度の高さと発色の良さが特徴で、永田萠が表現しようとする軽やかで美しい色彩の世界に一番適した画材です。紙は水彩紙を使います。
カラーインクは、もともとデザイン分野で使用されていた歴史の浅い画材で、日本でもカラーインクのみで制作する作家はごく少数とか。
その理由のひとつ、褪色という最大の弱点をかかえているため作品の保存が難しいことが考えられます。展覧会場でも褪色への対処が最大の課題です。厳重な保存状態でも自然褪色をしますが照明を直接あてると、2週間目くらいから褪色が始まり、ピンク、紫、グレーなどパステル系のやさしい色合いから色が落ち始め、強めの赤や青色は反対に黒ずんできます。
ですから、皆さんの目にふれる展覧会での作品はすでに描いた直後よりも、少し色が落ちています。「こんな色で描きたい」と思った作者の筆あとを正確にたどりたい、と思われたら、どうぞできる限り
機会を逃さず原画展にお運びください。
またカラーインクは、湿度や気候などに左右されたり、思いどおりにならない自由人。その意外性と先達のいない未開分野を開拓する魅力も大きく、永田萠にとって弱点はあっても一生つきあいたい画材のようです。
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